◎ハウスづくりの装飾素材についてのおはなし

 

ハウス作りで大きな存在なのが装飾素材。大きく分けて「自然素材」と「人工素材」と呼んでいます。
「自然素材」には、どんぐり、松ぼっくり、小枝に葉っぱ、木の皮や稲わら、稲穂など、季節によってさまざまなものが使えます。珈琲豆も自然素材の仲間に入れています。
「人工素材」には、布や毛糸、紙類、ひも類、PPバンドに緩衝材と、紙やプラスチック、金属など、自然素材以上に多くの種類を素材として使っています。いずれも、ハギレや毛糸の残り、捨てる洋服のボタン、役目の終わったカレンダー、プレゼントが大切に包まれていた紙やリボンなど、つい捨ててしまいがちなモノたちを、色分けしたり、同じ大きさにカットしたりと、ひと手間かけることで素材として生まれ変わらせています。子どもたちには、生まれ変わっていることに気づかないほど、キラキラした材料に見えているようです。そんな素材たちのおはなしです。

 

 

 

-自然素材-
本来のスタイルは、森や公園を散策して、さまざまな葉や木の実など観察しながら材料集めをしたあとにハウスづくりをするのがDanballHouse。いつでもどこでも楽しめるけど、大切にしたい自然との関わりのために、自然素材を必ずハウスづくりには使います。

【どんぐりとどんぐりのかさ】さまざまな形や大きさのどんぐりがありますが、鹿児島で手に入りやすいのはカシ類やナラ類・クヌギが多いです。いずれも子どもたちに大人気。どんぐりがいろいろだとどんぐりのかさ(殻斗/かくと)もいろいろで、クヌギのかさは丸くて大きめなので、すぐに目につくのか、あっという間になくなります。カシ類やナラ類は、かさ付きどんぐりの赤ちゃんたちが枝ごと落ちていることが多く、素材としてはそれもとても人気です。 秋になるとスタッフ総出で、どんぐりやどんぐりのかさを拾いに行ったりします。 ハウスに貼り付けるには、丸くて重さがあるのでコツが要ります。ワークショップでは、そのあたりも伝えていきます。

 

【松ぼっくり】子どもたちに人気の自然素材ツートップがどんぐりとこの松ぼっくり。いつの時期でも拾えますが、鹿児島では火山灰が降る地域が多いので、汚れがひどい時は洗って乾かしてから材料として提供します。洗うと鱗片がきっちりと閉じてしまいますが、乾かすとまた見事に開きます。そのままハウスの屋根に付けたり、ハウスの中に入れたりする子どもたちが多いですが、鱗片をひとつずつ切り離し、屋根の下側から綺麗に並べて貼っていくと本格的な屋根のように見えたりします。時間もかかるし根気のいる作業ですが、できあがるとみんなうれしそうです。

 

【小枝と葉っぱ】鹿児島県の県木でもあるクスノキの小枝と葉っぱを使っています。鹿児島ではどの地域でも簡単に手に入ります。クスノキは、昔、樟脳として虫除けに使われていた木なので、虫がつきにくいですし、子どもたちでも簡単に手で折って好きな長さに加工できるのでクラフト向きです。また、クスノキの枝は黒っぽい色になるので、ダンボール地のハウスにはとても合います。葉っぱは、たくさん集めて箱や袋に入れておくと、ハーブのようなとてもいい香りがします。虫にとってはこの匂いが嫌みたいですね。小枝は、ハウス作りには万能な素材のひとつで、壁材から食卓のお箸に至るまで、枝のサイズによってさまざまなものを作ることができます。同じ長さに切り揃えてハウスの壁に並べて貼ると、あっという間にログハウス風になったりします。

 

【木の皮】鹿児島県日置市や霧島市の杉の木の皮を使います。製材所やチェーンソーアートを楽しむ方々からいただいたりしています。杉の木の皮は、剥がれやすく自然と剥がれ落ちた皮でも使えますが、落ちたばかりの綺麗なものがベストです。何層にもなっているので薄く剥がして使います。折りながら、折った部分から少しずつ剥がしていきます。表層部分と剥がした内側の皮の部分を上手くバランスを取りながら貼っていき表情をつけていくところにセンスが出ます。小枝の腰板に木の皮の壁とか、もうこれは本格的なログハウスです。屋根に縦に並べて貼って小屋っぽく作るのも人気です。

 

【珈琲豆】自家焙煎のお店から、選別の際に不要となった豆をに無償でご提供いただいています。焙煎の前後に選別するため、白い生豆と焙煎後の珈琲色の豆と2種類があり、生豆は、ハウスの外壁や庭の踏み石などに、珈琲色の豆は、外壁や屋根に使っている人が多いです。また、珈琲色の豆をパンに見立て、手作りしたテーブルに、やはり手作りしたダンボールのお皿に載せられている様子は、何度観ても胸がキュンとしてしまいます。

 

【屋久杉】世界自然遺産の鹿児島県屋久島の本物の屋久杉です。屋久杉のお土産物を作っていた工場が閉鎖になり、既に加工済の屋久杉が大量に廃棄される予定でしたが、ご縁により譲り受け新たな役割を担ってもらうことにしました。千年以上経った杉の木だけを屋久杉と呼ぶようですが、人間の都合でただ廃棄されるために切り倒されたことにはしたくなかったのです。紙のように薄く加工された屋久杉ですが、いつまでもいい香りがしています。ハウスづくりでは、基本、自由に使ってもらいますが、同じ幅と長さに切り揃え、本物のフローリングの模様のように貼っていく方法なども教えます。床の模様って?子どもたちは、床をいつも何となく見ている事に気づくようです。作ることは、まずいろいろなものをよく見ること、それを真似てみることから始まることを体験していきます。

 

 

 

-人工素材-
役割が終わるとつい捨ててしまいがちなモノたちに新しい価値を見出す、モノの見方を変える方法を実際のモノたちを並べて気づいてもらう場を作ります。材質で分けたり、色で分けたり、同じサイズに切り揃えたり、そのままでは気づけない価値を、分別・加工・陳列して見せていきます。一度、そういうモノの見方を経験するとさまざまなものが柔軟に見えてくるような気がするのです。

 

【雑紙】膨大な種類の紙類をまとめて雑紙と呼んでいます。色紙(いろがみ)や色厚紙などを購入したのはこのワークショップを始めた時だけで、あとは寄付されたものや日々の生活をはじめとする、さまざまなシーンで出会う紙たちにふと目を留めて集めてきたものです。包装紙、菓子箱、薄紙、雑誌、チラシ、ショップカードやカレンダーなどなど、社会生活は雑紙に溢れていますね。もちろん、そのまま素材として提供するかどうか吟味し、ほとんどの場合、本来の価値観を無くし「素材」になるまでカットします。カレンダーなど、元々、きっちりデザインされているものが多いので、数字をバラバラにカットするととても気の利いた面白い素材になります。家庭でも、素材がないかなという目線で探してみたら、少しだけ残ったままの色紙や七夕飾りの残りなど、綺麗な色やデザインのいろいろな雑紙が結構あるかもですよ。

 

【布】ハギレを中心に、着れなくなった洋服や不要となった布地などをご寄付いただき、さまざまな材質の布をハウスづくりに使います。加工に、最も時間と手間がかかる材料ですが、ハウスづくりには必須アイテムです。無造作に壁や屋根に貼られていたり、床のじゅうたんやレースはカーテンに、クッションやテーブルクロスになったりもしています。自分自身のアイデアで布地を選び、雰囲気を作っていくことでどんどん制作が進んでいきます。ドレスのレンタル店からウエディングドレスをご寄付いただいたことがあり、解体して使っていますが、その構造と使われている布の量や素材の種類の多さに驚きました。もう何年も使っていますが、1着がなかなかなくなりません。解体そのものもワークショップにしたいくらい、複雑で面白かったです。まだ結婚していないスタッフにウエディングドレスを解体してもらうのは気が引けましたけどね。実際のワークショップの際、このレースは元々は何だったと思いますか?と子どもたちとその保護者に問いかけます。これまでに正解した人はほとんどいません。

 

【毛糸】どこの家にも使い残しの毛糸は必ずと言っていい程あるものですが、それをリユースできます。上質な毛糸が使い残しとしてご寄付された時はテンション上がります。布や毛糸は、ダンボール地との相性もいいですし、発色がいいモノはハウスの表情も豊かになります。小分けにして小さな糸巻きを作って材料として提供します。小さな糸巻きそのものを屋根や壁に貼りつけている子どももいて、またそれがいい感じだったりして、初めてその現象を見た時は、うれしい裏切りに脱帽でした。ハウスそのものを毛糸でグルグル巻きにしていた時も、あー、その発想もなかったわ、と思いました。

 

【ボタン】ワークショップに参加された方やこの活動を知った方からご自宅に眠っていたボタンをいただいたり、眠っていたボタンを集めている方から購入したりしています。また、ご寄付いただいた処分される洋服から丁寧にボタンを外していく作業も並行して行っています。
ボタンは、ハウス作りにおいて本当にいろんな使い方があって、いつも子どもたちの見事な発想と感覚に感動。歓声があがります。そう!子どもたちのボタンを見つめる目が洋服を着る時に見ている目とはあきらかに違うのです。

 

【革】クラフト地のダンボールと革の相性は抜群!一気にクオリティーの高いハウスになります。革の切れ端をいただくのですが、革加工の仕事の痕がうかがえるのもいいものです。